ご挨拶
昨年、別府にて第
1回早期臨床試験国際会議を開催いたしましたが、この度、平成
24年
2月
18日(土)に、「第
2回早期臨床試験国際会議」を福岡にて開催することとなりました。
近年、臨床試験(治験)をめぐる環境は国際的に著しい変貌を遂げており、東欧、南米、アジア諸国において、社会的条件の整備に伴い積極的に臨床試験が展開されるようになって参りました。特に、アジア圏での進展は目を見張るものがあります。
日本においても後期の国際共同治験への参加数は多くなり、
EDCの活用も相まってグローバル化に対応しています。しかしながら、文化の相違、医療環境の相違、実施手順の相違、など日本の現場ではまだまだ戸惑いがあるのも事実です。プロトコル作成やその前段階からの双方向性の参画や、治験に関わるプロフェッショナルの相互交流・育成、種々の相違に対する認識・理解も改善していく余地があります。このような状況を改善していくためには、開発全体を見回した上で早期の段階から医薬品の開発に係わっていくための基盤整備と開発戦略が求められます。多くの企業や我が国の研究者の発展を後押しし日本発のシーズを実りあるものにするためにも、長期的な観点に立って、早期の段階から医薬品の開発に係わる戦略を考えて行く必要があります。
治験には多くのプロフェッショナルの方が関係しています。それぞれの立場で現状改善の努力をされていると思いますが、理想から現状を差し引くことで課題が見えてまいります。我が国の力を発揮できる方向性を検討することを目的として本会議を企画し、主題を「世界をリードする効率的な開発戦略」とさせていただきました。
特別講演として、長年早期臨床試験に係わりアジア諸国の研究者とも協同されている熊谷雄治氏に、早期臨床試験の国際展開の中で日本の進むべき方向性についてお話いただきます。第1部では、戦略に新展開を加えるPharmacometricsの成り立ちと発展を紹介させていただきます。さらに、第2部では医療機関および企業の取り組みと考えを紹介していただきディスカッションします。
多くの方々に御参加いただき、忌憚無い御意見と考え方を共有していければと思います。
第2回早期臨床試験国際会議 委員長
内田 英二
(昭和大学研究推進室、昭和大学病院臨床試験支援センター)